研究概要 |
幼児の自発的興味を尊重する日本の保育実践の文脈のなかで,幼児がより高度な数量知識を獲得していく過程について,保育者の信念と支援に注目して解明することを目的とした。保育者への面接,保育活動の観察,幼児への数量能力評価などから,日本の保育者は,幼児に直接的な数量指導を行うことは好まないが,日常の遊びや保育活動の中で幼児の数量発達の状況を注意深く見極めていること,保育活動に数量の要素を埋め込む際には,幼児の発達に対応する形で数量操作の頻度や複雑さを調整するなど,敏感に数量支援の内容を変化させていること,を示唆する知見が得られた。
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