研究課題/領域番号 |
22730606
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
生澤 繁樹 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 講師 (70460623)
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キーワード | ジョン・デューイ / コミュニタリアニズム / 教育思想 / 政治哲学 / デモクラシー / 社会正義 / リベラリズム / プラグマティズム |
研究概要 |
本研究の目的は、ジョン・デューイの教育思想を現代英米圏の政治哲学・政治思想研究の学術的動向のなかに位置づけなおし、その今日的な意義と射程について再検討しようとするものである。本研究では、とりわけ現代コミュニタリアニズムの政治哲学によるデューイの共同体論的再解釈の可能性とその課題を解明するという視角からこの目的を遂行し、「教育」と「政治」の方法を結ぶ新たな研究領域を開拓する。 本研究計画の二年目にあたる平成23年度は、引き続き文献調査を中心的な方法としてジョン・デューイ再解釈の可能性とその再評価をめぐる課題の解明作業に着手した。まず、前年度報告を行なった研究発表の成果と課題を引き継ぎなら、現代コミュニタリアニズムの意義と課題を精査しつつ、先行の研究を踏まえてデューイの教育思想および政治思想に対する共同体論的再解釈に関する研究を発展的に進めていった。 この成果の一部は『教育哲学研究』第103号、『教育経営研究』第17号、『静岡大学教育実践総合センター紀要』第20号の各研究雑誌に順次、論文としてまとめられ刊行された。これらはそれぞれ学校選択と価値多元社会、教育的関係、道徳教育論といった現代的な教育問題の地平から、近年の政治哲学・政治思想研究におけるデューイの共同体論的再解釈の意義を検討しようとしたものである。また、上記の論文発表に加えて、本年度は第103回公共哲学京都フォーラム「アメリカの代表的な公共する人間としてのジョン・デューイ」、教育思想史学会第21回大会シンポジウム「共同性/協働性/協同性」、日本デューイ学会第55回大会の報告において、本研究の成果を広く公表する機会を得た。さらに、大学研究者間の国際研究交流の一環として、アイオワ大学(University of Iowa,アメリカ・アイオワ州)等の教育機関を訪問するとともに、アイオワ大学のCollege of Educationにおいてジョン・デューイの教育哲学を専門的に研究しているDr.McCarthy氏との意見交換および情報収集する機会を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年次より研究計画を着実に進めることができ、本研究の目的はおおむね順調に進展している。全国学会誌論文執筆件数、研究発表件数、研究調査の回数等、部分的には当初の計画以上に遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更はとくにない。 本研究課題を推進するに当たり、適宜進捗状況を確認し、本研究の到達点と今後の検討課題の整理につとめる。また本研究の成果を各種検討会での研究交流やWebページ等を通してより広く発信していくことを心がけたい。
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