今日のグローバル化社会においては、討議倫理学がいうように社会のなかに討議を実現することが重要である。討議とは、討議参加者が、相互の平等性を承認した上で、理由を付して自らの主張を述べ合い、合意を追求することである。しかし、こうした理想的発話状況の実現は難しい。 そこで、本研究は、討議を実現する教育学的方策の解明を目的とした。そのさい、次の二つの方向からこの目的に迫った。(1)非理想的発話状況としての教育現実に対応して討議を実現する方法の解明。(2)討議主体を形成するための、発達段階を考慮した大人の関わりかたの解明。
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