本研究は、公民館経営に関する学術的・実践的知見について整理するとともに、複数の自治体を対象として公民館活動や当該自治体における館の配置状況等に関する質量を伴ったデータを収集・分析することを通し、公民館が有する社会的役割に関する裏づけのある議論を展開することを目的としている。 研究初年度である平成22年度は、公民館経営・(評価)に係る各種統計、文献等を収集・整理し、公民館の経営および社会的役割に関する論点整理を行った.また、調査票調査の実施対象である秋田県内の自治体における社会教育の歴史と現状について各種資料や施設見学を通して概要を把握するとともに、『社会教育調査報告書』をはじめとする公民館経営に関する各種先行調査の質問項目、調査結果を踏まえて質問紙を作成し、調査対象の公民館および市町村関連部局に調査への協力依頼を行った』研究の成果として、第1に公民館経営に関する資料として、論文16点、関係資料37点(自治体21点、団体16点)を収集・整理した(その他、図書、雑誌記事多数)。第2に、調査分析の過程において先行調査の知見との比較が可能となるよう質問項目・内容を合わせつつ、公民館の対象区域と施設の利用状況との相関や非常変災時の館の役割を知ることができるよう調査票を設計した。 なお、調査の実施および調査結果の集計・分析は平成23年度に行う計画であり、調査票調査の結果・公民館の社会的役割への理解を補足するために、公民館非設置自治体などと比較できるように調査を進める予定である。
|