本研究は、太平洋戦争後の地域における青年学校状況や改革動向、六・三・三制学校制度への移行状況を明らかにすることを目的としている。2010年度は、この目的を達成するために、愛知県および京都府における青年学校の状況を中心に4回にわたって資料調査・収集を行ったほか、関係資料の購入を行った。 愛知県での資料調査・収集の概要は以下の通りである。1)『名古屋タイムズ』、『中部日本新聞』掲載の青年学校関係記事の確認、複写(名古屋市立鶴舞中央図書館)、2)名古屋市会会議録および愛知県会会議録における青年学校関係議事の確認、複写(名古屋市立鶴舞中央図書館、名古屋市政資料館、愛知県立図書館)、3)愛知県教育史料所収の青年学校関係資料の調査(愛知県教育センター)。このうち愛知県教育史料所収の資料については、センターのご厚意により、フィルムの借用を許された。ただし、フィルムの保存状態が悪く、修復の必要があり、次年度の課題となった。 京都府での資料調査・収集の概要は以下の通りである。1)『京都新聞』掲載の青年学校関係記事の確認、複写(京都府立総合資料館、京都市立図書館)、2)京都市会会議録および京都府会会議録における青年学校関係議事の確認、複写(京都市会図書室、京都府立総合資料館)、3)京都府立総合資料館所蔵史料の確認(京都府立総合資料館)。なお、京都府立総合資料館所蔵史料のうち京都府庁文書に収められている学事年報の調査原本については複写の必要があったが、今年度は複写にいたらなかった。次年度の課題である。 このほか、岐阜青年師範学校・同附属青年学校関係資料などを購入することができた。 これ調査等によって、これまで不明確であった青年学校の具体的な状況や改革動向などの解明が可能となると考えられる。
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