本研究では、手工科教育の模索期(1886年~1906年)および定着期(1907年~1925年)に実施された「文検」手工科の出題傾向や内容についての分析し、手工科担当師範学校教員に必要な資質として、1)模索期においては、物品製作の技能、手工科教育の目的論の理解および手工科教育の教育課程編成能力、2)定着期においては、物品製作の技能、図学の知識およびそれを応用した製図の能力、工業分野の基礎を学ばせるという手工科教育の目的論やそのための指導法の理解、および教育課程編成能力、が重視されていたことが明らかになった。
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