本研究では、戦前・戦後の綴方・作文教育における学力(能力)構造論と教育評価の分析を行った。戦前では、小砂丘忠義、加藤周四郎、村山俊太郎、国分一太郎の分析を行った。現代の綴方教師としては、西條昭男、得丸浩一、小松伸二、伊藤和実、太田一徹、中俣勝義、佐藤寛幸、田中郁に注目し分析を行った。 これらの分析で、綴方・作文教育において狭義の学力に限定されない力の育成とその評価が行われていることを明らかにすることができた。とくに現代の綴方・作文指導では、楽しく安心できる学級づくりと共感的な作文指導の中で、子どもたちの意欲を高め、創造的な生活や芸術的な、またユニークな表現が生まれていることが明らかになった。
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