本研究の目的は、米国における特色ある学校評価を実施しているチャータースクールを対象として、学校評価の実態、及び学校評価による効果を明らかにすることである。 最終年度にあたる平成24年度においては、日本教育行政学会第47回大会において「米国チャータースクールにおけるアクレディテーションに関する研究(II)-AdvancEDによるPACT評価を事例として」と題し、以下のことを明らかにした。 認証評価機関としてのAdvancEDによるアクレディテーションにおいては、事例としたチャータースクールであるPACTの自己評価を基礎としながら、AdvancEDの専門家による評価が実施される。そしてその評価結果に基づいてPACTは学校改善に関する改善案をAdvancEDに提出し、PACTが学校改善を行っているかをAdvancEDが判断するという一連の仕組みと実態をPACTの事例分析を通して明らかにした。 例を一つ挙げるとすれば、AdvancEDによる専門家評価の基準⑥「学校関係者間のコミュニケーションと関係性」の総評において「今回のインタビューにおいて何人かの関係者から、すべての生徒に公平にルールが適用されていないという証言を得た」と指摘されたことを受けて、PACTは規律をより徹底するために新たな雇用を行い、基準⑥に関する学校改善を実行した。 我が国の「学校評価ガイドライン〔平成22年改訂〕」において「学校評価の結果を踏まえ、(中略)設置者等は予算・人事上の措置や指導主事の派遣を行うなどの適切な支援を行うことが必要である」とあるが、上記のPACTの例は、人事上の措置がAdvancEDによるアクレディテーションによって講じられた実例として考えることができる。
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