研究概要 |
研究初年度である平成22年度は、理論的背景の構築に関する専門的知識の収集や研究体制の強化による実証的研究の準備と、これまでに基盤を形成してきた保育者養成機関における人形劇等の児童文化財公演活動の展開に取り組んだ。 【1】人形劇の芸術的及び社会的意義についての専門的知識の収集を行った。財団法人とらまる人形劇研究所及び附属とらまる人形劇団をはじめ、全国専門人形劇団協議会及び所属専門劇団と連絡・協議を重ね、これまでの連携関係を強化し研究体制を整えると同時に、人形劇の実態に関する調査や子どもの育ちに関する事例などの調査協力に対する了承を得、具体的準備(事例研究対象児の選定、必要備品購入及び貸与等)を進めた。 【2】保育者養成への即時的かつ効果的な還元を目指し、「くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっと」に関する取り組みを平成22年度の中心とした。これは、所属学生の保育者・教師としての資質を向上させ実践力を高めると同時に、本格的な公演活動を行うことで地域の子育て支援への貢献を目指した学部所管の教育システムである。研究代表者は、平成20年の設立当初から、顧問教員として学生と協働し、子どもやその保護者を対象とした人形劇等の児童文化財の製作・稽古・公演などの総合的実践を展開している。平成22年度の公演実績は33回(学外22,学内11)(平成20年~22年通算65回)であり、学内での公演はもとより、学外からの要請に応え地域のニーズに応じたアウトリーチ型の子育て支援を実行した。主な学外公演先は、保育所、地域子育て支援センター、親子(母親)クラブ、児童館、放課後児童クラブ、公民館、各種行事等である。この活動を通して所属学生は、知識や技術だけでなく、保育・教育及び子育て支援に関する実践知性の体系についての包括的な学びを、学生集団による主体的な運営のもとに進めている。
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