研究概要 |
期間3年のうち2年目の平成23年度は、理論的背景の構築に関する専門的知識の収集や研究体制の強化による実証的研究の着手と、これまでに展開してきた保育者養成機関における人形劇等の児童文化財公演活動の発展的継続に取り組んだ。 【1】人形劇の芸術的及び社会的意義についての専門的知識の収集を継続した。一般財団法人とらまる人形劇研究所及び附属とらまる人形劇団をはじめとした専門劇団と連絡・協議を重ね、これまでの連携関係を強化し研究体制を整えると同時に、人形劇の実態に関する調査や子どもの育ちに関する事例などの収集を行った。また、下記【2】に関する学生養成への専門的知識と指導助言の提供も受けた。 【2】研究成果を保育者養成に即時的かつ効果的に還元することを目指し、「くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっと」に関する取り組みを実施した。これは、所属学生の保育者・教師としての資質を向上させ、理念に立脚した実践力を高めると同時に、児童文化財の本格的な公演を行うことによる大学周辺地域の子育て支援への貢献を目指した学部所管の教育機関である。研究代表者は、平成20年の設立当初から顧問教員として学生と協働し、子どもやその保護者を対象とした人形劇等の児童文化財の製作・稽古・公演等の実践研究を行っている。平成23年度の公演実績は45回(学外31,学内14,平成20年~23年通算110回)であり、学外からの要請に応え、地域のニーズに応じたアウトリーチ型の子育て支援を実行した。主な学外公演先は、保育所、子育て支援センター、親子クラブ、児童館、放課後児童クラブ、公民館、各種行事等である。この活動を通して所属学生は、知識や技術の習得や経験の蓄積はもとより、保育・教育及び子育て支援に関する実践知性の体系についての包括的な学びを、学生集団による主体的な運営と学生相互の学び合いのもとに得ている。この活動に関するデータの収集と整理を行った。
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