研究概要 |
人形劇等の児童文化財の鑑賞を通した「幼児の情操教育」と、その理解と実践の資質及び能力を有する「保育者・教員養成」に包括的に取り組む「学生集団による児童文化財の制作・公演活動」を主軸として、「専門人形劇団」との連携・協働のもとに研究の推進と成果の公表を行った。 【1】高度な専門的知識と技術及び設備の提供を受けるにあたっては、全国の専門人形劇団と連携した。その中核は、「全国専門人形劇団協議会」、「日本ウニマ」、「日本人形劇人協会」の連携によって設立された「一般財団法人とらまる人形劇研究所」及び附属「とらまる人形劇団」である。加えて、「人形劇団ばんび」(愛知県)、「劇団にんぎょう畑」(埼玉県)等、複数の専門人形劇団から、適宜、直接的な指導・助言を受けた。また、公立劇場「人形劇場とらまる座」(香川県)との連携により、作品上演とシンポジウム開催によって研究成果を発表した。 【2】過去2年の取り組みを継続・発展させ、「くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっと」による学生主体の児童文化財の制作と公演を通して、幼児の情操教育と保育者・教員養成を一体的に行い、研究成果を即時、社会に還元した。平成24年度は、専門人形劇団の監修のもと児童文化財4作品を制作・初演し、公演実績は51回(学外33,学内18)(平成20年~24年通算161回)であり、地域の作品鑑賞型の子育て支援ニーズを発掘し、これに応じたアウトリーチを実行した。主な公演先は、保育所、子育て支援センター、親子(母親)クラブ、児童館、学童保育、図書館、各種子育て支援行事等である。この活動を通して所属学生は、知識や技術だけでなく、保育・教育及び子育て支援に関する実践知性の体系を総合的かつ実践的に学び、それを後輩に指導・助言する過程で、相互に学び合う文化を形成し、自己課題の明確化と自己研鑽の能力を育成したと考えられる。
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