本研究は、現在日本の指導行政の課題を解明し、そこから浮かび上がる課題を解決する視点をイギリスの学校改善パートナー(School Improvement Partner)の施策や実態の分析を通して解明し、今後の地方教育行政に求められる学校評価結果を活用した学校改善支援の機能開発のための方策を考察することである。 1年目の本年度は、日本の指導主事制度に関する先行研究と、イギリスのNRwS施策と学校改善パートナーに関する政策分析及び関連する先行研究という文献研究を中心に行い、その成果を『中間報告書-資料集-』としてまとめた。 文献研究を通して明らかとなったことは、第1に、日本の指導主事制度に関する実態把握や学校改善支援という視点での地方教育行政に関する研究がこれまでは十分に実施されてきていないことである。第2に、イギリスの学校改善パートナーに関する研究からは、学校改善支援者の専門性、継続性、一貫性の確立、改善支援の質保障の仕組みの構築、地方教育行政の活動の改善への活用の仕組みの構築という視点が学校改善支援には重要であるということが明らかとなった。以上のように、今後の日本の学校改善支援の機能開発の視点を明らかにすることができたという点で本研究の意義は大きいと言える。今後、日本の指導行政の実態把握を行い、現状把握と課題の把握を行った上で、イギリスの研究から明らかとなった学校改善支援の視点から、地方教育行政に求められる学校評価結果を活用した学校改善支援の機能開発を進めることができる点で本研究の重要性はあると言える。
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