研究課題/領域番号 |
22730676
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研究機関 | 聖徳大学短期大学部 |
研究代表者 |
中村 裕 聖徳大学短期大学部, 保育科, 講師 (90572165)
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キーワード | ネパール / 教育学 / 教育制度史 / 国民統合 |
研究概要 |
本研究の目的は、1960年代のネパールにおける国民教育制度の創設および整備過程を明らかにすることである。 この目的を達成するために、平成23年度においては、前年度に引き続き、トリブヴァン大学(Tribhuvan University)附属図書館および同大学附属の教育改革・開発研究センター(CERID)、アメリカの国際開発庁(USAID)などを通じて、本研究の基盤資料(教育計画および政策文書、対ネパール教育援助に関する文書など)を入手した。また、国内の大学附属図書館などを訪問して、関連資料の入手を図った。 上記の資料収集と並行して、本研究を遂行する上での主要作業として、1950年代(王政復古期)の教育計画における国民概念の特徴を、1950年代、1960年代の主要法規や教育計画文書の分析を通じて明らかにした。その成果は、『聖徳大学研究紀要短期大学部』44号に研究論文として掲載されている。 さらに、当該年度後半においては、1950年代における教育行政制度の再編過程と、1960年代初頭の同制度の特徴について追究整理した。その成果を論文としてまとめ専門誌に投稿し、現在審査を受けている。 上記の通り、1950年代の国民教育制度整備過程の確認整理の作業、そして、本研究を遂行するための視点の確立はすでに終了しつつある。1960年代の教育計画文書や教育法規についても、論文等において言及し始めている。平成24年度においては、1960年代における教育計画・法規の全体像を確実に把握し、それに基づき、本研究の主題を達成する所存である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連資料の収集は順調に進捗し、その講読作業に移行している。また、1960年代におけるネパールの国民教育制度整備過程追究の前提となる、1950年代のそれについては、これまでの成果を学術論文として発表している(掲載済み論文が2件、審査中論文が1件である)。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、1950年代におけるネパールの国民教育制度整備過程の解明を通じて、1960年代のそれについても、制度整備の前提や一定の成果について、少なからず明らかにしている。今後は、(1)1960年代の総合的な教育計画の特徴解明、(2)1960年代における主要教育段階・領域の開発成果の追求、(3)以上を踏まえた、1960年代におけるネパールの国民教育制度整備過程の全体的理解という方策で研究を進めていく。
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