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2011 年度 実績報告書

体育科における「教師の成長過程モデル」の開発とその妥当性に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22730681
研究機関北海道大学

研究代表者

厚東 芳樹  北海道大学, 大学院・教育学研究院, 助教 (80515479)

キーワード小学校体育授業 / 教師の成長過程モデル / 態度得点 / 反省的思考
研究概要

当該年度では,開発した「成長過程モデル」を実際の体育授業の場で検証した。とりわけ,「各教師が目指す教師像の明確なイメージの有無が体育授業に対する反省的思考の程度に関係する」といった仮説を検証し,そのことが教師の成長を左右する可能性について検討した。具体的には,(1)初任教師6名を対象に,授業計画に関わった知識への介入が授業中のマネジメント行動量と運動従事量に及ぼす影響を検討した,(2)小学校高学年および低学年担任教師計12名を対象に,学習成果(態度得点と運動技能)の高い教師群とそうでない教師群とで教師のもつ「教師像」と体育授業における教師の「反省的思考」との関係がそれぞれどのように異なるのか比較・検討した,の計2つを試みた。
その結果,前者の研究からは,(I)初任教師であっても授業計画を綿密に立案すれば,授業中のマネジメント行動を大幅に削減でき,子どもの運動従事量を態度得点の高い教師のそれに近いものへと高めることが認められた。これより,体育授業の基礎的条件の担保が「授業計画」と密接に関係していたものと考えられた,(II)初任教師のほとんどが運動従事量は増加したが子どもの運動技能(パフォーマンス)までは向上しなかった。こうした中で,運動技能を向上させた初任教師は,授業計画時には現れてこなかった運動教材に関わる知識を有していたことがインタビュー調査より導出できた,の2つを導出した。
また,後者の研究からは,(I)学習成果(態度得点と運動技能)の高い教師群は全員が具体的な目指す教師像を有し,経験年数の高い教師ほど具体的な像が導出できたのに対して,そうでない教師群では,経験年数に関係なく,「子どもと一緒に遊べる教師」など抽象的な教師像を有するにとどまっていたこと,(II)具体的な教師像を有している教師ほど反省的思考からの振り返りが深い関係にあったこと,の2つを導出した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 初任教師の授業計画場面に関する反省的視点への介入が授業の基礎的条件に及ぼす影響-マネジメント行動と運動従事量に着目して-2012

    • 著者名/発表者名
      厚東芳樹
    • 雑誌名

      体育教育研究

      巻: 9号(印刷中)

  • [雑誌論文] ソーラン節の故郷積丹町における「夏休み国際英語村」実践報告2011

    • 著者名/発表者名
      厚東芳樹
    • 雑誌名

      体育教育研究

      巻: 特別号 ページ: 1-11

  • [雑誌論文] 教職経験年数という物理的条件が教師の反省的思考に及ぼす影響-小学校低学年担任の男性教師について-2011

    • 著者名/発表者名
      厚東芳樹
    • 雑誌名

      北海道大学大学院教育学研究院紀要

      巻: 112号 ページ: 59-71

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公開日: 2013-06-26  

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