研究課題
本研究では、主に次の(i)と(ii)の課題を設け,それぞれ考察した。i)モデル化する理解の対象の焦点化の問題(理解のモデルは,ほとんどすべての数学的概念に適用できるモデルを構築しようとするために,モデルが漠然としたものになるという点):モデル化する理解の対象を、数学の対象(代数的対象と図形的対象)で区別し、図形的対象(図形の合同)に焦点化して理論的に研究し実証した。ii)理解過程研究における規範的特性を保証するための方法論に関する問題(集団授業の設計や構成に、子ども個人の理解過程を表す理解モデル研究の所産が、十分に反映されていない点):「自分の考えを表現し、伝え合う活動」「説明する活動」を取り入れた授業実践において、「理解しようとする事柄に対して、自ら仮定-結論(命題)を作り出して推論する行為(推論行為)」という内面的行為を外面化するモデル(数学的理解を促す「説明する活動」の分析モデル)の開発研究を行った。研究全体の結果として、中学校第2学年の学習内容「作図活動を通して図形の存在証明を行う」ときに生徒に求める説明は、「手続き」、「手続きによって得た事実」、そして「根拠」を明確に区別して表現させる必要があることを明らかにした。このときの指導について、次のA~Cが、具体的な手立てとなると想定できる: A「手続きの説明」の際、手続きの順序を明示させること、B「手続きによって得た事実」を明らかにする際、Aで示した手続きを踏めば誰でも得られる結果であるかどうかを確認させること、C Aで明示した手続きから得ている「仮定」、「条件」を用いて「結論」を導くよう注意を促すこと。このとき、Bで得た事実を「仮定」として用いないことに留意させること。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of the 37th Conference of the International Group for the Psychology of Mathmatics Education
巻: 5 ページ: 192
日本数学教育学会「第45回数学教育論文発表会論文集」
巻: 2 ページ: 1073-1078