研究課題/領域番号 |
22730692
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
岩田 耕司 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (90437541)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 科学教育 / 数学教育 / 問題解決 / 実践研究 |
研究概要 |
本研究の目的は,中等学校数学科における創造的・問題解決的な授業の具体を開発するとともに,問題理解の場面における教師の役割についてより詳細に検討することである。本年度は,昨年度に引き続き,現役の中学校,高等学校数学科教員への聞き取り調査や,種々の学力調査の分析を行った。今年度は,特に全国学力・学習状況調査中学校数学における主として「活用」に関する問題(数学B)に焦点を当て,求められる指導の具体についての検討を行った。その結果,特に次のような数学的プロセスに着目して,授業を設計する必要性があることが示唆された;(1)数学の舞台に乗せること(数学化),特に関数とみなすこと,(2)目的に応じて資料を収集・整理したり,必要な情報を選択・処理したりすること,(3)証明や説明を読むこと,振り返って新たな性質を見いだすこと,(4)方針に基づいて証明したり,証明の方針を立てたりすること。 また,これらの視点に基づき,授業設計を検討した結果,上記(1)と(2)に関わっては,現在,中学校で使用されている第1学年数学科教科書(平成23年検定,7社7種)を分析した結果,中学校第一学年「比例」の単元において,関数的にみることの必要性やよさに関する教科書の記述や学習場面が少ないことから,今年度は特に,関数の導入における授業の核となる問題や問題理解の場面における教師の役割に焦点を当てて授業計画,調査計画を立案することとした。また,(3)と(4)に関わっては,前年度に検討した中学校第二学年の「証明」の授業について,命題の全称性の理解とともに,証明の機能について学習する場面を取り入れるなどの授業設計の修正を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度から24年度にかけては,問題理解の場面における教師の役割を検討するための基礎的な資料を集めることを目的として,主に教科書分析や文献解釈,質的・量的調査に取り組むこととしていた。その目的は概ね達成していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者との連絡を密にして,授業実践の計画を綿密に行い,調査や授業実践を滞りなく実施できるようにすることが重要と考える。
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