研究概要 |
本年度は,前年度に構築を行った気象情報(気温,湿度,気圧や雨量などの気象要素)を自動で収集し,データベースとして蓄積する"収集システム"を活用し,小学校高学年および中学校における気象分野学習用の教材開発を目的として,気象要素の視覚化に関する様々な試みや検討を行うとともに,収集した気象情報を,Webブラウザ上でインタラクティブに取り扱うためのいわゆる現代的な"気象の学習支援システム"の開発を行った。 具体的には,気象データ自動収集システムより,必要なデータを抽出して取り出し,CGIをもちいてWeb上に様々な形で表示するとともに,一定の間隔で自動で更新し,再描画を行うシステムの開発を行った。その詳細を以下に示す。 ・気象要素の時間変化を視覚化 広島市および東広島市の気温の変化を1日・3日・1週間のそれぞれの間隔で折線グラフで表示し,天気の変化が気温に与える影響を視覚的に認識できるようにした。 ・気象要素の季節変化に関する視覚化 広島市の最高気温と最低気温の直近3ヶ月の推移を折線グラフ表示し,季節による気温の変化を視覚的に認識できるようにした。 ・気象要素の空間変化の視覚化 広島県内の同一時間における気温の地域差を等値線図(コンター図)として表現した図を1時間更新で自動で描画するシステムを作成し,同じ時間でも,標高の高い県の北側では気温が低く,海岸沿いの平野部では暖かいなど,地域による違いを理解できるようにした。また,一定時間ごとに自動的に再描画を行うことで,それぞれの時間ごとに地域差がどのように変化していくか認識できるようにした .土砂災害危険度の予測 豪雨による土砂災害発生の危険度の予測につなげるため,広島県内の累積雨量および実効雨量値の計算を自動化し,毎時自動的に計算を行い,等値線図(コンター図)として表示し,土砂災害の危険度が高くなっている場所を予測し,ホームページにて公開。 ・気圧配置学習用の風向・風力図 天気図をもとに気圧配置とそれにともなって吹く風がどちら向きにどの強さになるのか学習できるよう,全国各地の風向・風力を矢羽根で示す図を3時間で更新するシステムの開発。
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