研究課題/領域番号 |
22730699
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藤原 志帆 熊本大学, 教育学部, 准教授 (20381022)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 音楽科指導 / 特別支援教育 / 授業デザイン / 「学習の共有化」 |
研究概要 |
本年度は、「1.特別支援教育における『学習の共有化』を促す音楽科授業デザインの再設計」、「2.特別支援教育における『学習の共有化』を促す音楽科授業デザインの検証」を行った。 「1」については、実践事例集や教科書指導書などを分析し、「学習の共有化」を促す音楽科授業デザインの再設計に資するものを整理した。これまでに行われてきた障害のある子どもを対象とした音楽の授業に関わる指導事例(『教育音楽』に掲載された指導事例)を分析し、「学びのユニバーサルデザイン」(キャスト,2011)を指標として、音楽活動のユニバーサルデザインとなりうる授業づくりの工夫を抽出し、その特徴を明らかにした。器楽分野に焦点を当てた場合、A「表現を促しやすい構造の楽曲を選んだり、またそのように楽曲をアレンジすること」、B「楽譜を多様な形式でわかりやすく提示すること」、C「楽器に演奏しやすいような工夫を加えたり、簡単な奏法で自由に幅広い表現を楽しめる楽器を使用する」、D「人と共に表現したり、ソロ場面やステージ発表の機会を設ける」ことが挙げられた。これらの工夫は、障害のある子どもに限らず、楽譜理解や演奏技能に課題を抱える子どもの器楽指導の課題解決にも示唆を与えるものであると考えられた。上述の分析結果と2011年度の検証をもとに、「学習の共有化」を促す音楽科授業デザインの再設計を行った。 「2」については、再設計した授業デザインをもとに、障害のある子どもを対象とした余暇支援や授業実践における音楽活動を計画し、デザインの検証を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自身の研究フィールドの変更により、教科(音楽科)としての授業実践の検証が可能な協力校の確保に難航している。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画当初は、教科(音楽科)の授業に焦点を当てたものであったが、特別支援教育における「各教科等を合わせた指導」や「自立活動」などに授業実践の検証対象を拡大した上で、音楽科の授業デザインを開発していきたいと考えている。
|