本研究では、まず、特別支援教育音楽科における「学習の共有化」に関わる理論的基盤を整理した上で、「学びのユニバーサルデザイン」(キャスト,2011)を指標として、これまでの障害のある子どもを対象とした指導事例を分析し、音楽活動のユニバーサルデザインとなりうる授業づくりの工夫を抽出した。 そして、それらの工夫をとりいれた実践事例を分析し、特別支援教育における「学習の共有化」を促す音楽科授業デザインの例(鑑賞「感受・表現の過程に視覚媒体を用いる」、器楽「楽譜を多様な形式で提示する」、「簡単な奏法で幅広い表現を楽しめる楽器を用いる」)を提案した。
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