研究課題/領域番号 |
22730710
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
中原 朋生 川崎医療短期大学, 医療保育科, 准教授 (30413511)
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キーワード | 社会科教育 / 公民教育 / 道徳教育 / キャラクター・エデュケーション / 市民性教育 / 法教育 / 授業開発 / 米国 |
研究概要 |
本年度は(1)米国キャラクター・エデュケーション教材の収集と分析、(2)米国における授業実践や理論研究に関する調査、(3)米国キャラクター・エデュケーションの論理に基づく授業開発に取り組んだ。当初の計画では、(1)及び(2)が本年度の課題であったが、(3)の活動に取り組むことができ順調に研究活動が進行した。 教材の収集と分析については、米国キャラクター・エデュケーションに関する教科書・教師用指導書・教室用ポスターなどの収集を行った。そのなかでも代表的な教材としてB・ルイスが開発した『What do you stand for』とマクグローヒル社が開発した『Character Education:Grade K』の分析を進め、それぞれの研究成果を2本の論文(審査合格論文)として発表した。 米国における授業実践に関する調査については、2011年9月に米国インディアナ州における学校訪問調査を実施した。小学校(幼稚園クラスを含む)から高等学校まで10校を訪問し、キャラクター・エデュケーションの学校全体での実施状況、授業の実際、環境構成の実際等に関する調査を行った。その結果、調査前の理論研究で立てた仮説、例えば「米国では幼稚園クラスから公民教育をはじめているのではないか」「キャラクター教育と公民教育は近接的な領域であり、特に小学校では両者を統合した学習が展開されているのではないか」「米国の学校はデューイズムに基づき、学校や教室自体を"社会"と捉え、子どもたちの社会認識の対象とするとともに、公民教育の実践の場としているのではないか」といった問題を検証できた。 授業開発については、これまでの研究成果をわが国の社会科授業づくりに応用し、中学校社会科公民的分野向け小単元「トリアージ-助ける命を選べるの?」を開発し、学会においてその成果を発表した。 以上のように、順調に研究活動を遂行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、1~2年目を理論研究、3年目から具体的な授業開発をめざしていた。理論が順調に進んだため、授業開発に早めに着手できた。具体的には、中学校用授業1モデル、高等学校用授業1モデルの計2モデルの授業を開発した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今年度開発した2つの授業モデルの精緻化を図るとともに、小学校向けの具体的な授業開発を進める。低学年向けと高学年向けの2つの授業モデルを開発し、合計4つのモデルを提示したい。 なお、授業開発研究の成果を随時、学会等でも発表していく。
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