研究概要 |
本年度は,「学習言語の整理と分類」として,既に作られた学習語彙(学習用語)など先行研究の整理や,アメリカなど他国の事例の収集を中心におこなった。並行して,「教科書分析による学習言語実態の調査」として「学習言語としてのわかりやすさ」が,どのように工夫,実現されているか調べるための基礎データ整理をおこなった。 また,本研究課題のメインとなる「学習言語が教科内容の理解に及ぼす影響」については,図書文化社より提供を受けたCRT,NRTテストの指示文を,わかりやすいと思われる日本語で書き換えた「書き換えテスト」を作成し,「原文テスト」と併せて愛媛県狩江小学校の協力を得て,各学年5名前後,6学年で38名分の通過率・正答率データを得た。 次年度は,本年度に引き続き,「学習言語の整理と分類」,「教科書分析による学習言語実態の調査」については,引き続き基礎データ整理を続け,分析,発表へと展開していく。メインの「学習言語が教科内容の理解に及ぼす影響」については,狩江小での38名分のデータによる「書き換えテスト」と「原文テスト」の正答率の差を,「どのような書き換えをおこなったか」という質的な要因との関係も考慮しつつ分析を進める。 また,狩江小38名分のデータをパイロット調査と位置づけ,分析の結果から,より効果が得られる書き換えを模索し,本年度はもう少し規模の大きい複数の小学校から,「書き換えテスト」と「原文テスト」のデータを得る。
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