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2011 年度 実績報告書

ガロア点を用いた射影多様体の分類理論と新展開

研究課題

研究課題/領域番号 22740001
研究機関山形大学

研究代表者

深澤 知  山形大学, 理学部, 助教 (20569496)

キーワードガロア点 / 正標数 / 射影代数名様体 / 射影 / ガロア群 / ガウス写像
研究概要

ガロア点を用いた射影多様体の分類理論の基盤となる本研究の中心的問題「正標数において非特異平面曲線のガロア点の個数を決定せよ」という問題を完全に解決した。標数をp≧0とし、次数dの既約平面曲線Cを考える。射影平面内の点PがCに対するガロア点であるとは、Pからの点射影が呈する関数体の拡大がガロア拡大となるときに言う。
まず標数p=2において、次数が2べきの非特異曲線についてガロア点の分布を明らかにした。クライン4次曲線はこの次数の仮定において最多のガロア点をもつことがわかった。さらにこの曲線を「ガロア点を複数もつ」という性質を保ちながら一般化し、そのガロア点の分布を明らかにした。一般化したものは特異点をもつが、複数のガロア点をもち、この種の新しい例を提示できたことになる。
次に、非特異平面曲線のガロア点の個数について未解決で残っていたすべての状況において、ガロア点の分布を明らかにした。非特異平面曲線の外にあるガロア点の個数は上から(d-1)^4+(d-1)^3+(d-1)^2,7,3,1,0となることがわかり、上位三位までの個数をもつ平面曲線の特徴づけを与えた。一位は次数dがpべきプラス1のフェルマー曲線として、二位はクライン4次曲線として特徴づけられる。
ガロア点と周辺分野との関係の創出、という目的に関して、本間正明氏、Seon Jeong Kim氏との共同研究により、ある種の平面曲線上の有理点を用いて構成される代数幾何符号の最小距離がグリースマ境界に到達することを示した。この曲線のガロア点の配置は有理点と一致することがわかっており、ガロア点・有理点・符号の関係が見出された例として大変興味深いと思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分類理論の基盤となる、本研究課題の中心的問題「非特異平面曲線のガロア点の分布を決定せよ」を完全に解決できた。これは他の問題「正標数における非特異超曲面のガロア点の個数の上限と分類」への進展にもつながる。また、本間氏・Kim氏との共同研究によって、ガロア点・有理点・符号の関係を見出す例が与えられたことは、もう一つの目的「他分野との関係を見出す」ことを具現化できたことを意味する。

今後の研究の推進方策

進展がおおむね順調なので、基本的には計画通り、ガロア点を用いた分類を推し進め、他分野との関係性を見出す研究を行なう。ガロア点を用いた分類理論においては特異曲線についても考察する。高次元の場合については正標数への拡張にはいくつかの命題を精査する必要がでてきており、これを行なう。ガロア点・有理点・符号の関係について、良い例が得られているので、その研究を発展させたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 非特異平面曲線のガロア点の個数の正標数における完全決定2012

    • 著者名/発表者名
      深澤知
    • 学会等名
      日本数学会年会
    • 発表場所
      東京理科大学理学部
    • 年月日
      2012-03-28
  • [学会発表] Galois points for a smooth plane curve in characteristic p2011

    • 著者名/発表者名
      深澤知
    • 学会等名
      射影多様体の幾何とその周辺2011
    • 発表場所
      高知大学理学部(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-04
  • [学会発表] Galois points for a smooth plane curve in characteristic p2011

    • 著者名/発表者名
      深澤知
    • 学会等名
      代数幾何学シンポジウム-佐渡-
    • 発表場所
      新潟県、佐渡島総合開発センター(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-04
  • [備考]

    • URL

      http://www-sci.yamagata-u.ac.jp/seeds/matSeedsFiles/fukasawa.pdf

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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