研究概要 |
1.研究実施計画に記載した「(ii-2)準1モノドロミー充満性の1独立性の研究,特に種数が0,1,あるいは,曲線が射影的な場合」として,平成22年度に,種数が0の双曲的曲線に対して,この1独立性が成立しないことを証明した.また,その延長線上にある研究として,双曲的曲線の例外点の研究を行い,その中で,双曲的曲線の例外点はアーベル多様体に対する捻れ点という概念の類似であるという事実を証明して,また,高次円単数を添加して得られる有理数体のGalois拡大におけるFermat型方程式の解と(0,4)型双曲的曲線の準モノドロミー充満性との関連を発見した(論文準備中).これらの研究について,パリ第6大学,ボルドー第1大学,早稲田大学,大阪大学のセミナーで研究発表を行った. 2.研究実施計画に記載した「(iii)p進局所体上の双曲的曲線のGalois切断のHodge-Tate性の研究」として,p進局所体上の双曲的曲線の非幾何学的な副p Galois切断の存在を証明して,第56回代数学シンポジウムで研究発表を行った.一方,数体上の代数曲線の双有理Galois切断の研究として,有理数体や虚二次体の上で定義された代数曲線の双有理Galois切断が幾何学的となるための局所的な必要充分条件を与えた(論文投稿中).この研究について,平成24年度6月にボルドーで行われる研究集会「Galois covers and deformations」にて,研究発表を行う予定である. 3.ダラム大学で行われた研究集会「Automorphic forms and Galois representations」にて,遠アーベル幾何学の連続サーベイ講演を行った.
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