研究概要 |
A∞圏から得れる三角圏について,その三圏がA∞圏の情報をどれくらい保っているか?という問題について,少なくともいくらか情報の失われる三角圏の例が存在することが分かった.これについて本年度5月中国精華大学における国際研究会「Interplay between representation theory and geometry」において講演し,論文として現在準備中である.また,この議論の基礎となる三角圏,A∞圏と有限次元代数に付随する三角圏についての性質について本としてまとめて出版した. 一方,シンプレクティックトーラスと複素トーラスの間のホモロジー的ミラー対称性の拡張として複素トーラスを複素非可換トーラスに変形することが可能であり,そのミラー側の描像としてシンプレクティックトーラスにおける深谷A∞圏の拡張が得られることが分かった.さらにこの議論をトーラスの場合からStrominger-Yau-Zaslowによるトーラスファイバー束のミラー対称性の設定に拡張できる.これらのことについて本年度5月にアメリカ合衆国のMSRI (Mathematical Science Research Institute)における国際研究会「Symplectic geometry, Noncommutative geometry and Physics」において講演し,論文としては現在準備中である.
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