研究概要 |
研究代表者は山崎雅人氏(プリンストン大)との共同研究で、3次元のゲージ理論と3次元の双曲多様体論の新しい物理的な関係を発見し、その結果を論文としてまとめて、Y.Terashima and M.Yamazaki, arXiv:1103.5748として公表した。この関係の特徴は、双曲3次元多様体の双曲体積などの不変量を、その双曲3次元多様体とまったく異なる3次元多様体上のゲージ理論から導出できることを主張することに特徴がある。この結果につづいて、ここで与えられた主張をサポートする成果として、山崎氏と共同で1点穴あきトーラスの写像トーラスで双曲構造をもつ場合について、すべての場合で双曲体積が実際に3次元のゲージ理論の分配関数の準古典極限から得られるという成果を得て、その成果を論文としてまとめて、Y.Terashima and M.Yamazaki, arXiv:1106.3066として公表した。この結果を一般の穴あき曲面の場合に拡張しようとした試みのなかで様々な困難が現れ、新しい数学的な技術や道具が必要であるという認識にたどりついた。この困難は、長尾健太郎氏(名古屋大学)と山崎氏との共同研究によって解消され、その成果を論文としてまとめて、K.Nagao,Y.Terashima and M.Yamazaki, arXiv:1112.3106として公表した。この論文において、3次元双曲多様体論とクラスター代数の数学的な関係を発見した。さらに、山崎氏との共同研究で、4次元のゲージ理論における指数と(境界つきの)3次元双曲多様体の体積の関係を発見し、その結果を論文としてまとめて、Y.Terashima and M.Yamazaki, arXiv:1203.5792として公表した。 この関係は数学的な様々な結果を示唆しており、それらを現在研究中である。
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