研究課題
結び目の多項式不変量の零点に関してトロント大学の村杉邦男氏と共同研究を引き続き行い、その配置に関する成果を挙げた。結び目の幾何学的性質がアレキサンダー多項式の係数に反映する様子はよく知られているが、結び目の族を考えるとき、場合によってはその性質がアレキサンダー多項式そのものよりも、零点の配置に現れるという現象が起こる。特に零点が全て複素平面内の単位円周上にあるもの(circular stableと呼ぶ)及び、全て実軸上にあるもの(real stableと呼ぶ)が興味深い。rational knots については circular stable や real stable になる十分条件がいくつか分かっている。これを拡張して、quasi-rational knot (and links) というクラスを定義し、real stability を調べた。二つの結び目が real stable であり、しかもそれらの零点が実軸上に交互に現れるとき、interlacing property を持つという。rational knots に関して interlacing propertyをもつ族を発見した。quasi-rational knots に関しては完全に interlacing でなくとも、若干の自然な補正により interlacing になる状況を見い出した。ここではアレキサンダー多項式そのものより、その補正とも言えるコンウェイ多項式の振る舞いを調べることで証明が簡略化できた。また新しい性質として、アレキサンダー多項式の零点が実軸上と単位演習上に現れるもの(bi-stable)についても成果を挙げた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Knots in Poland III, Banach Center Publications
巻: 100 ページ: 未定
N.A
http://researcher.nitech.ac.jp/html/100000100_ja.html