本年度は3年間にわたる研究の中期にあたる年であり、研究実施計画にしたがい研究を遂行した。2011年度に得られた具体的な成果は以下のものである。 (1)デルタ元の自明性に関する十分性に関する結果を得たので、現在論文を準備中 (2)T(m)スペクトラムのホモトピー群についてcokerJに相当する部分の計算をCartan-Eilenberg型スペクトル系列を用いておこなったので、現在論文を準備中 研究課題、(1)については、まだ計算が煩雑な箇所が複数あるので、もう少しまとめる必要があるが、Adams-Novikovスペクトル系列のE_2項の4番目のラインに関する結果は現在までにほとんど得られていなかったので、意義深い結果だと思われる。また研究課題(2)については現状のままでも発表するに十分な結果だと思われるので、執筆が終わり次第投稿する予定である。 さらにこれらの研究課題と関連して、Motivicコボルディズム理論を元にしたMotivic Brown-Peterson理論による計算可能性についても新たに研究中であり、こちらは現在までの考察を既に紀要論文1報としてまとめた。この方面の研究では、従来のAdams-Novikovスペクトル系列の計算方法のテクニックを踏襲できることが;期待されるので、今後も継続的におこなう予定である。
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