スピン幾何学とはディラック作用素とスピノールを用いて多様体の性質を調べる分野である。本研究の目的は、ラリタ・シュインガー作用素を用いてスピン幾何学を開発し、ディラック作用素の場合との類似性・相違性を調べることである。次のような研究成果を得た。 (1) 3次元ハイゼンベルグ多様体上のラリタ・シュインガー作用素のスペクトルの振る舞い (2) いくつかの3次元多様体上のディラック作用素に対するエータ関数及びその特殊値(共同研究による) また、ラリタ・シュインガー作用素を用いた幾何学を開発するためのいくつかのアイデアを得た。
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