研究課題
平成24年度においては、有限要素法の誤差評価について、平成23年度までの研究成果を踏まえて、より発展的な研究を行いました。有限要素法の誤差評価は個々の要素上の補間誤差の評価に帰着して考えるのが一般的です。我々は、平成23年度までに、三角形要素上の補間誤差を精密に評価する公式を考案し、証明していますが、その結果を応用して、三角形非適合要素の厳密な誤差評価を導出することに成功しました。また、愛媛大学の土屋卓也教授との共同研究により、平成23年度までに得られた補間誤差評価式を、より一般的な関数空間上に拡張することができました。平成24年度においては、3次元有限要素法への応用についても研究を行いました。2次元有限要素法では、三角形要素上の補間誤差が三角形の外接円の半径で押さえられる、いわゆる外接半径条件が成立することがわかっています。しかし、3次元では、四面体要素上の補間誤差が外接球の半径では押さえられないような反例を見つけることで、同様の評価が成り立たないことを示しました。四面体要素上の補間誤差評価については、数値計算により誤差評価式の見当をつけることはできましたが、厳密な証明には成功していません。今後の課題であるといえます。有限要素法の厳密な誤差評価は、流体方程式や楕円型非線形偏微分方程式などに精度保証付き数値計算を適用し、解の誤差評価を行ったり、解の存在や一意性を計算機上で証明したりする上で、非常に重要です。そのような意味においても、我々の研究結果は重要です。平成24年度までに得られた研究成果については、国際学会NOLTA2012で発表を行いました。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nankai Series in Pure, Applied Mathematics and Theoretical Physics
巻: 10 ページ: 54-67