1. ラグ付きFibonacci生成法の下から1ビット目から6ビット目までの各ビットの0-1分布について、MacWilliam恒等式を用いて分布を正確に計算し、二項分布との誤差を統計的検定では到達できない精度で計算した。この結果は査読付き論文として出版された。論文発表後、より一般のmultiple recursive generatorの各ビットごとの分布の計算に拡張した。また、重み数え上げ多項式のうち主要な項と思われる項のみを取り出した多項式に形式的に反転公式を適用しても非常によい近似となっていることを数値実験により示し、10ビット目まで計算を拡張することができた。さらに、非零の係数が全て1となる場合のMRGは、MacWilliams恒等式の代数的性質より、任意のビットについて計算することが可能となった。これらの研究成果に関し、2014年4月に開催されたMCQMC2014で口頭発表を行った。 2. 2014年1月にモンテカルロ法および準モンテカルロ法に関する研究集会を開催した。東京大学大学院博士課程の芳木武仁氏と鈴木航介氏を広島大学に招聘し、準モンテカルロ法の評価に関する最新の研究成果の報告を得た。 3. 愛媛大学内の代数系教員と共同で「愛媛大学代数セミナー」を8回開催した。このなかで、2014年2月に広島工業大学の北臺如法氏を招聘し、Artin-Schreier塔を利用した擬似乱数生成法に関する情報を収集した。 これらをふまえて線形代数に関する著書を共同で執筆し、研究成果を得る上で重要であった線形代数の内容を理工系学生向けに解説した。
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