研究課題
T.Giordano(オタワ大学教授)・I.F.Putnam(ビクトリア大学教授)・C.F.Skau(ノルウェー科学技術大学教授)との共同研究によって、有限生成自由アーベル群のカントール集合への極小作用を軌道同型で分類することに成功し、得られた研究成果を解説する論文を発表した。この成果は、対応するC*環の分類やそのK理論の計算などにも応用されうる可能性を持っていると、期待されている。また、作用する群をさらに一般化することも模索している。単純なC*環への自由アーベル群の作用に関しても成果をあげた。具体的には泉正己(京都大学教授)との共同研究により、Kirchberg環という広いクラスのC*環に対して、階数2の自由アーベル群のある種の作用を分類する事にも成功した。また、AH環への階数1の自由アーベル群の作用やAF環への階数2の自由アーベル群の作用の分類に関しても、部分的な成果をあげた。2010年6月にカナダのビクトリア大学で行われた研究集会や、2010年9月にカナダのバンフ国際研究所で行われた研究集会において、これらの研究成果を講演発表した。分類の対象となる環や群をさらに一般化する方向で研究を進めている。射影を含まない環への群作用の分類は特に重要であると考えられる。C*環への群作用の分類は作用素環論における最も基本的な問題の一つであり、これらの研究は先駆的で且つ発展性のある成果であると考えられる。
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