本研究では,生物の走化性と増殖・死滅の作用を有する走化性・増殖系を扱い,その解の大域存在ならびにパターン形成について研究しました.解の大域存在については,空間次元が2および3の場合において,分泌項の劣線形オーダーを新たに導入することで,これを示しました.さらには,解の一様評価式を導出することで,指数アトラクターの存在についても示しています.空間2,3次元における解のパターン形成についても調べました.具体的には,分岐理論を用いて局所分岐解の存在を示し,また中心多様体理論を用いてその解の安定性を調べています.走化性係数を無限大としたときの解の漸近挙動についても調べました.
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