研究課題
本研究はNANTEN2望遠鏡によるCOの高励起線観測を複数の超新星残骸(SNR)に対して行い、付随する分子雲の分布・性質を明かにすること、また、SuzakuのX線のデータ、Fermi、HESSのガンマ線のデータを用いて、SNRでの衝撃波加速の物理、ガンマ線放射起源の詳細を明らかにすることである。最終年度である今年度は下記のことを遂行した。(1) CO輝線観測: NANTEN2望遠鏡を用いて12CO、13CO(J=1-0)輝線の高感度観測を継続し、6個のSNRについて詳細な分子雲地図を取得した。また、RXJ1713.7-3946の一部の領域について、CO(J=7-6)、CI(3P2-3P1, 3P1-3P0)輝線の高感度観測を実施した。(2) 星間陽子の特定: W44に対してCOと中性水素原子(HI)からSNRに付随する星間陽子の個数を特定した。平均密度は200cm^-3であり、ほとんどが分子雲で構成されていることを明らかにした。(3) GeVガンマ線との比較: W44においてAgile衛星、Fermi衛星のGeVガンマ線データとCOのデータを比較し、星間陽子とよい一致を示し、ガンマ線放射が陽子起源で矛盾なく説明できることを示した。宇宙線陽子のエネルギーを導出し、SNR全体のエネルギーの1%程度であることを明らかにした。また、ガンマ線のスペクトルはSNRの領域内で一様でなく異なっていることを発見した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
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