研究概要 |
赤外線天文衛星「あかり」の中間赤外線全天サーベイの点源カタログ(論文3,5)を用いて活動銀河核の探査を行っている。候補天体の追観測を「あかり」による近赤外線分光と地上望遠鏡を用いてすすめてきた。その結果、他波長ではその活動銀河核の存在が認識されていなかった銀河の中に、隠された活動銀河核の存在を見いだすことに成功した(論文2)。全天サーベイのメリットの一つとしては、めずらしい天体を発見に適している。このメリットで発見されたクェーサー(特に明るい活動銀河核)は、全天でも数例しか見つかっていないガスを噴出しているめずらしい天体であったために、すばる望遠鏡を用いて追観測を行った(論文1)。これらの成果を、国際研究会で報告している(発表1,2)。平成22年度はX線衛星「すざく」の観測も行った。このデータ解析も進めている。また「あかり」活動銀河核の光度関数の構築や、高X線のカタログと比較を行い、その論文化を進めているところである。より深いカタログの作成については、本年度はその手法の調査を平成22年度は行った。これらの手法を、全天で行うことが今後の目標である。 「あかり」の冷凍機の経年変化による温度上昇で観測中止になっている現状を踏まえて、高温時に検出器を動作させる方法を模索するための実験室実験を行っている。本研究課題には「あかり」での分光観測の継続が必要であるために、必要に迫られたために追加した研究課題である。
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