研究概要 |
本研究は1.「^<18>O,^<20>Oで発見された分子起動状態の定量的理解・全容解明」2.「中性子過剰Ne同位体での分子起動状態の構造・性質の理解」3.「O,Ne同位体が関与する核反応の理論的記述と反応率の評価」を行うことを目的としている。今年度は、^<18>O、^<20>Oの分子起動状態の記述を目的とし、その基礎となるα+^<12>C+nの三体問題に取り組んだ。また、今年度中性子過剰Ne同位体の系統的な実験が行われ、最新のデータが得られたため、来年度実施の予定であったNe同位体の分子軌道構造、励起スペクトルの反対称化分子動力学による研究を行った。特に中性子軌道の性質をあらわに見ることが出来る奇核に注目し、31Neのスペクトル及び基底状態の性質を明らかにし、基底状態が中性子ハロー構造を持つ可能性が高いことを示した。同時に、Ne同位体の基底状態の半径、密度分布を系統的に調べ、反応断面積の評価を、九州大学の研究者との共同研究で行った。また併せて、より発達した分子軌道構造の存在が期待できるF同位体の研究も行った。その結果、F同位体にも分子軌道構造が、同位体を通じて存在し、その励起エネルギーが、中性子数を増すにつれて劇的に低下することを示した。
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