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2010 年度 実績報告書

ニュートリノ質量と素粒子的宇宙論の諸問題を説明する標準模型の拡張理論

研究課題

研究課題/領域番号 22740137
研究機関金沢大学

研究代表者

青木 真由美  金沢大学, 数物科学系, 助教 (70425601)

キーワード素粒子
研究概要

ニュートリノは微小な質量を持つ素粒子であるが、標準模型の枠内では質量を持たせる機構が存在せず、ニュートリノは質量ゼロの粒子として存在する。一方、暗黒物質の正体は明らかとはなっていないが、標準模型の枠内ではその候補となるような粒子が存在しない。このように、ニュートリノ質量や暗黒物質の問題を解決するには、標準模型を超えた新たな理論が必要となる。離散対称性伴った輻射シーソー模型は、これらの問題を同時に解決しうる可能性がある模型である。
先行研究では、そのような具体的模型として、3ループの量子効果牽通じてニュートリノに質量を与えるテラスケールの模型(AKS模型)を提案した。AKS模型は、さらに宇宙のバリオン数生成の問題についても同時に解決しうる可能性がある。
当該研究では、AKS模型における理論の安定性を議論した。この模型には、オーダー1の結合定数が存在し、また多くのスカラー場が含まれるが、そのような場合には特に安定性の議論は重要となる。トリビアル性と真空安定性を解析し、数値計算を行った結果、理論は10TeV程度まで安定であることが示された。
一方、テラスケールで構築された輻射シーソー模型は、超対称性理論に拡張することにより、高エネルギー領域の理論に繋げることが可能だ。E.Ma氏によって提案された1ループ輻射シーソー模型は、一種類の暗黒物質候補を含む模型であり、その超対称性理論(SUSY Ma模型)がすでに提案されている。SUSY Ma模型には、二種類あるいは三種類の暗黒物質候補が含まれ、それはAKS模型を超対称性化した場合についても同様である。我々は、複数の暗黒物質候補が含まれる模型の現象論として、SUSY Ma模型においてイナートヒッグシーノが暗黒物質の一つである場合について、暗黒物質残存量を解析し、観測に矛盾しないパラメータ領域を示した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Impact of Inert Higgsino Dark Matter2012

    • 著者名/発表者名
      M.Aoki, J.Kubo, T.Okawa and H.Takano
    • 雑誌名

      Phys. Lett

      巻: B707 ページ: 107

    • DOI

      DOI:10.1016/j.physletb.2011.12.012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Testing the Higgs triplet model with the mass difference at the LHC2012

    • 著者名/発表者名
      M.Aoki, S.Kanemura, K.Yagyu
    • 雑誌名

      Phys.Rev.D

      巻: 85 ページ: 055007-1-055007-15

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.85.055007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Triviality and vacuum stability bounds in the three-loop neutrino mass model2011

    • 著者名/発表者名
      M.Aoki, S.Kanemura, K.Yagyu
    • 雑誌名

      Phys.Rev.D

      巻: 83 ページ: 075016-1-075016-11

    • DOI

      10.1016/j.physletb.2011.12.012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Doubly-charged scalar bosons from the doublet2011

    • 著者名/発表者名
      MAoki, S.Kanemura, K.Yagyu
    • 雑誌名

      Phys.Lett.B

      巻: 702 ページ: 355-358

    • DOI

      10.1016/j.physletb.2011.07.017

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Decoupling property of the supersymmetric Higgs sector with four doublets2011

    • 著者名/発表者名
      M.Aoki, S.Kanemura, T.Shindou, K.Yagyu
    • 雑誌名

      JHEP

      巻: 1111 ページ: 038

    • DOI

      10.1016/j.physletb.2011.12.012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Light Charged Higgs bosons at the LHC in 2HDMs2011

    • 著者名/発表者名
      M.Aoki, R.Guedes, S.Kanemura, S.Moretti, R.Santos, K.Yagyu
    • 雑誌名

      Phys.Rev.D

      巻: 84 ページ: 055028-1-055028-16

    • 査読あり
  • [学会発表] ハイパー荷3/2のアイソスピン二重項スカラー場を伴うヒッグス模型とその現象論2011

    • 著者名/発表者名
      青木真由美
    • 学会等名
      日本物理学会2011年秋季大会
    • 発表場所
      弘前大学(青森県)
    • 年月日
      2011-09-18

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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