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2011 年度 実績報告書

低温重力波レーザー干渉計用鏡懸架装置の冷却期間短縮方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22740148
研究機関東京大学

研究代表者

内山 隆  東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (60361656)

キーワード重力波 / 低温 / レーザー干渉計 / 鏡
研究概要

本研究では、「低温」重力波レーザー干渉計で用いられる鏡懸架装置の冷却期間短縮に必要な技術・手法の確立を目指している。低温重力波レーザー干渉計KAGRA(旧称LCGT)では鏡とその懸架装置を20K以下に冷却し、熱雑音を低減する。重力波レーザー干渉計では、設計感度を実現するために地道なノイズハンティングを繰り返すことが必要である。本研究によって冷却時間の短縮が可能になれば、実験サイクルの短縮につながり、より早期に設計感度を実現することが可能になるだろう。これは、重力波の第一検出に繋がる重要な要素である。
本年度は、設計の進んでいるKAGRA用クライオスタット(低温真空装置)と低温鏡懸架装置に則したモデルによる冷却過程のシミュレーションを製作し、冷却時間の試算を行った。その結果、本研究で提案している熱輻射を有効活用する手法により、従来の手法では約50日を必要とする冷却時間が約28日までに低減される事を明らかにした。この冷却時間の低減量44%は、目標としていた50%の低減に迫る大きな値である。
このシミュレーション結果を実験的に証明し、かつ数値的評価を容易にするため、形状を単純化した実験装置の製作を開始した。表面の熱輻射率の異なる球をそれぞれ冷却し、その冷却完了時間の比較を予定している。
本研究は、熱輻射というそれまであまり重要視されてこなかった熱輸送法に着目し、KAGRAの大きな課題である冷却時間を短縮する技術の開発に大きく貢献した。本研究の成果はKAGRAのクライオスタットや低温鏡懸架装置の設計に反映され、KAGRAによる重力波の第一検出に寄与する事が期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Reduction of Thermal Fluctuations in a Cryogenic Laser Interferometric Gravitational Wave Detector2012

    • 著者名/発表者名
      T.Uchiyama, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 108 ページ: 141101[5]

    • DOI

      10.1103/PhysRevLett.108.141101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 低温鏡の実証2011

    • 著者名/発表者名
      内山隆、三代木伸二
    • 雑誌名

      低温工学

      巻: 46 ページ: 392-399

    • DOI

      DOI:10.2221/jcsj.46.392

    • 査読あり
  • [学会発表] 低温重力波レーザー干渉計CLIOの技術成果2012

    • 著者名/発表者名
      内山隆
    • 学会等名
      春季第59回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      早稲田大学(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-15

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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