ガンマ線バーストとは、宇宙の最強爆発である。一つのバーストのエネルギーは、百億年で太陽から放出される量ほどで、輝いている数秒の間全体の銀河より光度が高い。 ただ、ガンマ線バーストという神秘的な現象は、動力源がまだ把握されていない。本研究の目的は、ガンマ線バーストの一種いわゆるショート・ガンマ線バーストの動力源の解明である。動力源は連星中性子星の合体から生成されたシステム(ブラックホールと降着円盤)だと考えられてある。 どうやって上記の現象の探求を行うというと、一般相対論的(アインシュタイン理論)な磁気流体力学の範囲で連星中性子星の合体の数値シミュレーションを行うために、メッシュ・リファインメントで磁場の進化を扱う手法を調べた。且つ、現実的な状態方程式を用いる合体の様々なシミュレーションを実行して、磁場なしで、状態方程式の影響の探求を始めた。それと同時に、簡易な状態方程式を用いて磁場を含む計算を行って、合体や合体で発生した降着円盤のダイナミックスを研究している。色々なシミュレーションを実行し、順調な結果が出てきた(発行済み)。 連星中性子星の合体の意義は、ショート・ガンマ線バーストの動力源の解明にとどまらず、重力波の研究にも至る。アインシュタイン理論の予言である重力波は時空の波紋である。ただ、振幅は非常に小さいので、今まで観測できていない。測れるようになるために正確な重力波刑を把握しなければならない。本研究の数値シミュレーションは連星中性子星の合体の重力波も計算して、「かぐら」という日本の大規模なレーザー干渉計をはじめ、観測器のデータの解析を行う研究団と協力している。
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