弱い背景磁場がある電子・イオンプラズマ中の無衝突衝撃波を、スーパーコンピュータ(SX9)を用いた大規模粒子シミュレーション(PICシミュレーション)により調べた。その結果、超新星残骸での衝撃波に相当する非常に弱い磁場であっても、衝撃波の形成に重要となることや、衝撃波の遷移層でワイベル型の不安定性が成長して電流フィラメントを作り、遷移層および下流領域で乱れた磁場を作ることなどが明らかになった。 また、シミュレーション結果に基づき、不安定性の局所的な線形解析を行った結果、衝撃波遷移層でBuneman不安定性とイオン音波不安定性の2種類の静電的不安定性が成長し、電子とイオンが加熱されることがわかった。このほか、阪大レーザー研でのレーザー実験により生成された静電衝撃波に関連して静電衝撃波の粒子シミュレーションも行い、その性質や発生条件などを調べた。 上記の研究内容は学会や研究会などで発表し、論文としても出版した。シミュレーションコードの開発や、データの保存、可視化、および論文の作成には研究費で購入したハードウェアやソフトウェアを使用した。
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