AdS/CFT対応において、インターフェイスを置いた場合を考え、それを利用してAdS/CFT対応の検証を行った。インターフェイスがあるCFTで最も基本的な量はバルク局所演算子の1点関数である。我々はこの1点関数をゲージ理論側において古典近似で評価した。一方重力側では、対応する量はGKPW処方によって計算できる。我々はこの計算を実行し、妥当な極限でCFT側の結果と完全に一致することを発見した。これは、AdS/CFT対応の新たな重要な証拠である。 一方、3次元のN=2超対称性を持つ理論において境界条件の解析を行った。境界を持つ場の理論は、2次元の時には開弦の理論として勢力的に研究され興味深い成果がたくさんある。3次元の場合にも端のある膜の理論としてM理論などで重要な役割を果たすと考えられる。我々は、3つのクラスの理論で境界条件を考察した。1つはLandau-Ginzburg理論である。結果として、A型の境界条件ではブレーンはLagrangian部分多様体でその上でSuperpotentialの虚部が一定、B型の境界条件ではブレーンは複素部分多様体でその上でSuperpotentialが一定という分類を得た。また、Maxwell理論においてはAbelian双対性で境界条件がどのように移るかを示した。QEDでは、Mirror対称性において境界条件がどのように移るかを予想した。 BPS状態の数え上げの問題については、これまでに得ていた2次元結晶融解模型を弦理論から導出し、さらに一般のToric Calabi-Yau多様体に拡張することに成功した。
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