研究課題
天体エネルギー近傍での炭素・ヘリウム融合反応12C+4He→16O+γの反応速度および天体S因子の測定を九州大学タンデム加速器施設において行った。炭素ビームとヘリウムガス標的を用い、核融合反応で生成した酸素の数を検出器で測定した。去年度から反応エネルギー1.2MeVでの測定を開始したが、バックグラウンド除去が十分でなく、後2桁以上減らす装置が必要であると解った。炭素粒子がパイルアップし酸素イベントと同じエネルギー、飛行時間を持つ為である。その為、昨年度開発したイオンチェンバーのさらなる改良を行った。グリッド電極の分割、ガス圧の最適化等を行いパイルアップによるバックグラウンドが除去出来る事を確認した。その後、ビームを用いた実験を行った所、標的容器に付着している酸化被膜が酸素を発生させ、それがバックグラウンドとなる事が判明した。これの発生を抑える為、標的容器に金メッキを施す対策を行った。これらのバックグラウンド対策を行った後、反応エネルギー1.2MeVでの本測定を行った。加速器が不調であったため予定していた実験期間を確保する事が出来ず、およそ1日分しかデータを取得する事が出来なかった。しかし、バックグラウンドの発生量を確認したところ、設計した通りであり、昨年度までよりも1/10以下になっていることが解った。これにより反応エネルギー1.2MeV以下での測定は加速器からビームが出ればすぐにでも可能であると言う事が確認できた。標的に用いるガス循環装置の開発も行った。近年世界的にヘリウム不足が起こっており、我々の実験に使用するヘリウムガスが不足すると言う事態が起こった。この為、これまでは使用後には廃棄していたヘリウムガスを真空ポンプで回収、洗浄、一時保存し、再び標的として用いるガス循環系を製作した。これによって、使用量がこれまでよりも1/20程度に抑える事が出来るようになった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Few-Body Systems
巻: Volume 54, Issue 1-4 ページ: 299-302
DOI:10.1007/s00601-012-0380-8
巻: online ページ: 1-4
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PoS(NIC XII)249
巻: PoS(NIC XII)249 ページ: 1, 5