変形中性子過剰核領域における新魔法数の探索

2011 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 22740186
• 研究機関: 独立行政法人理化学研究所
• 研究代表者: 武智 麻耶 独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 客員研究員 (40570172)
• キーワード: 物理学(原子核実験)

研究概要

本研究の目的は、変形中性子過剰領域"Island of Inversion"における新魔法数の存在および不安定原子核殻構造の重大な変化を、この領域のNe,Mg同位体核半径及び最外殻核子運動量分布の測定を通して探索する事である。本研究では非常に弱く束縛された最外殻中性子が原子核ポテンシャルの外にしみ出して形成される中性子ハロー核の発見を研究の手がかりとし、未踏の中性子過剰核における殻構造変化、新魔法数の存在を調査する。
本研究の計画は次のようなものである。初年度に、核半径・運動量分布測定実験に必要な検出器の作成を行い、最先端加速器施設理研・RIビームファクトリー(RIBF)でデータを取得する、次年度は、必要なら追加実験を行い、解析・データ解釈を完成させ、研究期間2年の間に成果発表を行う。RIBFにおける実験は初年度に成功し、取得したNeデータの中に、不安定原子核の重大な殻構造変化によって発生したと考えられる新中性子ハロー核の存在を確認する事ができた。また、今年度の解析・研究でMgデータの中に、やはり同権に新魔法数の発生・殻構造変化から生じたと考えられるハロー構造を持つ原子核を新たに発見した。現在はこの新たなハロー核の発見、そして新魔法数の存在を示唆する結果を総合して、論文にまとめ、発表していく段階に予定通り到達しており、Physics Letter Bにおいて一連の発見を発表する最初の論文が掲載されている。.

研究成果

• [雑誌論文] Interaction cross sections for Ne isotopes towards the island of inversion and halo structures of ^<29>Ne and ^<31>Ne (2012)
  • 著者名/発表者名: M.Takechi
  • 雑誌名: PHYSICS LETTEE B 巻: 707 ページ: 357-361
  • DOI: 10.1016/j.physletb.2011.12.028
  • 査読あり
• [雑誌論文] One- and two-neutron removal reactions from ^<19,20>C with a proton target (2011)
  • 著者名/発表者名: A.Ozawa
  • 雑誌名: Physical Review C 巻: 84 ページ: 64315
  • DOI: 10.1103/PhysRevC.84.064315
  • 査読あり
• [学会発表] 中性子過剰Na同位体の相互作用断面積の測定 (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木伸司,武智麻耶,西村太樹,福田光順,大坪隆,長島正幸,鈴木健,山口貴之,小沢顕E,大石寛人,森口哲朗,炭竃聡之,H. Geisse,青井考,Rui-Jiu Chen,De-Qing FangH,福田直樹,福岡翔太,古木悠敬,稲辺尚人,石橋陽子,伊藤健,泉川卓司,亀田大輔,久保敏幸,M. Lantz,C.S.Lee,Yu-Gang Ma,三原基嗣,百田佐多生,長江大輔,錦織良,丹羽崇博,大西哲也,奥村公威,小倉聡之,櫻井博儀,佐藤加奈恵,新原佳弘,鈴木宏,竹田浩之,竹内聡,田中鐘信,上西秀和,M. Winkler,柳澤善行
  • 学会等名: 日本物理学会第67回年次大会
  • 発表場所: 関西学院大学
  • 年月日: 2012-03-24
• [学会発表] 中性子過剰Al同位体の相互作用断面積測定 (2012)
  • 著者名/発表者名: 長島正幸
  • 学会等名: 日本物理学会第67回年次大会
  • 発表場所: 関西学院大学(兵庫県西宮市)
  • 年月日: 2012-03-24
• [学会発表] 中性子過剰Mg同位体おける相互作用断面積の測定 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木伸司
  • 学会等名: 日本物理学会秋期大会
  • 発表場所: 弘前大学(青森県弘前市)
  • 年月日: 2011-09-18
• [学会発表] Precise Measurements of Interaction cross section for Ne-Al Isotopes to the vicinity of neutron drip line (2011)
  • 著者名/発表者名: 武智麻耶
  • 学会等名: Rutherford Centennial Conference on Nuclear Physics
  • 発表場所: The University of Manchester, Manchester, UK
  • 年月日: 2011-08-09
• [学会発表] Interaction cross section for Ne-Al isotopes to the vicinity of neutron drip line (2011)
  • 著者名/発表者名: 武智麻耶
  • 学会等名: Advances in Radioactive Isotope Science-ARIS 2011
  • 発表場所: Katholieke Universiteit Leuven, Belgium
  • 年月日: 2011-05-29