研究概要 |
Λ粒子の第一励起状態であるΛ(1405)は、負パリティのバリオンの中で最も軽く、その質量が単純なクォークモデルで説明できないため、その性質を調べることはクォーク結合によるハドロン形成メカニズムの明解が繋がる。そこで、J-PARCにおけるd(K^-, n)反応を利用したΛ(1405)精密分光実験(E31)を行うために、液体重水素標的の開発研究と実機製作を行った。E31実験において、標的容器は円筒型粒子検出器群の中心に配置され、検出器の立体角を十分に確保するために冷凍系から分離される。そのため、本標的は、標的容器へ流入する熱を液体重水素自身の対流により輸送し、1.3m離れた熱交換器で吸収させ、標的容器の温度を約20 Kで維持するようにデザインされた。冷却試験の結果、少量の水素液化し、標的容器を20 Kで保持することが出来た。
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