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2010 年度 実績報告書

有機磁性薄膜の磁気特性とスピンダイナミクス研究

研究課題

研究課題/領域番号 22740204
研究機関佐賀大学

研究代表者

山本 勇  佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 助教 (80528993)

キーワード有機磁性体 / 光電子分光 / 磁気円二色性
研究概要

本研究課題は種々の表面上に有機磁性薄膜を作製し、超短パルスレーザーと放射光を用いた光電子分光および磁気円二色性測定を行うことにより、その電子状態と磁気特性を明らかにするとともに、有機磁性薄膜の機能性の制御と新規機能性発現への糸口を探索することを目的として研究を行った。本年度は、まずレーザー光学系および有機磁性体の蒸着システムの製作・導入を行い、2光子光電子分光および2光子光電子磁気円二色性測定システムを確立した。このシステムを用い、有機磁性体であるマンガンフタロシアニン(MnPc)薄膜の占有・非占有電子状態を明らかにした。また、分子内直接励起による共鳴増大を捉えることに成功した。以上の結果を用いて中間状態への遷移選択則の検討し、理論計算と比較することで分子軌道のキャラクタリゼーションを行った。また、スピンダイナミクス研究へ展開する見通しが得られた。一方、磁気特性評価では、MnPc薄膜の高磁場極低温X線磁気円二色性測定を行い、元素選択的にスピンの向き・大きさを決定するとともに、X線吸収分光によりMnPc薄膜構造を明らかにした。また、下地基板のMnPc薄膜に与える影響を調べた結果、下地が強磁性金属の場合、界面第1層の有機磁性体のみが強磁性的にカップリングし、下地と同じ磁気特性を示すことがわかった。第2層以上では、下地基板の磁気特性には従わず、常磁性を示すことがわかった。一方、MnPc薄膜の蒸着によって下地基板は、垂直磁気異方性が増加する傾向が得られた。これは、MnPc分子自身の強い垂直磁気異方性の影響であると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] マンガンフタロシアニン薄膜の占有・非占有電子状態2011

    • 著者名/発表者名
      山本勇
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      新潟大学五十嵐キャンパス
    • 年月日
      2011-03-27
  • [学会発表] Si(111)上に成長したBi(111)表面の角度分解2光子光電子分光II2011

    • 著者名/発表者名
      藤正修司
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      新潟大学五十嵐キャンパス
    • 年月日
      2011-03-27
  • [学会発表] Si(111)7×7上に成長したBi薄膜の角度分解2光子光電子分光2011

    • 著者名/発表者名
      藤正修司
    • 学会等名
      日本放射光学会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2011-01-10
  • [学会発表] マンガンフタロシアニン/強磁性薄膜の相互作用とMn-L吸収端XMCD2010

    • 著者名/発表者名
      横山利彦
    • 学会等名
      XAFS討論会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2010-09-06
  • [備考]

    • URL

      http://www.slc.saga-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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