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2011 年度 実績報告書

遷移金属パイロクロア弗化物におけるスピンフラストレーションの系統的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22740216
研究機関京都大学

研究代表者

植田 浩明  京都大学, 理学研究科, 准教授 (10373276)

キーワードフラストレーション / フッ化物磁性
研究概要

当該年度には、水銀系のパイロクロア弗化物の合成条件を確立し、二つのコバルトの化合物について強磁場下で磁気転移を発見した。水銀系パイロクロア弗化物には、フッ素以外の陰イオンとしては酸素と硫黄の化合物があり、遷移金属としてはコバルトとニッケルの化合物に関して主に研究を行った。これらの化合物は、いずれもキュリーワイス温度が負で大きさは100K以上であるが、10K程度の低温において磁気秩序を示し、スピンフラストレーションの影響が強いことが明らかになった。さらに、コバルトについては酸素と硫黄の化合物はともに、強磁場下で磁気転移を示すことを発見した。これらの磁気転移は、磁化の値が全磁化の半分のところで起こっており、クロムスビネルで見られた磁化プラトー相への転移と関連すると考えられる。しかし、ニッケル系に関しては、反強磁性相互作用が強いため、磁化が半分未満のところまでしか測定できず、同様な磁気転移の有無に関しては検証できなかった。昨年度に発見したように、カドミウム系の鉄のパイロクロア弗化物力桐様の磁気転移を示すととを考え合わせると、クロム、鉄、コバルトのパイロクロア格子において磁気転移が観測されたことになる。本研究によって、半磁化プラトーは、磁性イオンの種類によらず、パイロクロア反強磁性体に一般的に現れる現象であることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Magnetic properties of frustrated pyrochlore fluorides Cd2M2F6S (M=Fe2011

    • 著者名/発表者名
      H.Ueda, S.Numa, A.Matsuo, K.
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 84 ページ: 214411-1-7

    • DOI

      10.1103/PhysRevB.84.214411

    • 査読あり
  • [学会発表] パイロクロア弗化物A2M2f6Xの物性2011

    • 著者名/発表者名
      植田浩明
    • 学会等名
      日本物理学会2011年秋季大会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2011-09-22

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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