研究課題
本研究の目的は、強磁性超伝導体URhGe及びUCoGeにおけるフェルミ面の特性をドハース・ファンアルフェン(dHvA)効果測定により調べ、磁性と超伝導発現に深くかかわる5f電子状態を明らかにすることである。平成22年度までの研究で、UCoGeについては既にシュブニコフ・ドハース信号の観測に成功しており、平成23年度では、磁場変調法による高感度測定を行う予定であった。しかし、東日本大震災の影響により、極低温測定実験が十分できなかったため、一部実験計画を変更し、高純度試料育成に力点を置いて実験を行った。その結果、対象物質の研究として先行しているフランスの研究グループ等で得られている試料と同程度以上の試料育成条件を確立しつつあり、また関連する物質についても試料育成がすすんだ。そのため、平成24年度に実施予定である磁場変調法によるドハース・ファンアルフェン効果測定について、準備が整いつつある状態である。また一方、平成23年度にフランス国立科学研究所(CNRS)で行われた高磁場中輸送特性の予備的実験結果から、UCoGeにおいては温度2Kで数十テスラを超える磁場中において、磁気的異常が観測されることをはじめて明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
平成22年度末に起きた東日本大震災の影響により、平成23年度は低温測定実験が十分できないことが予想されたため、当初の実験計画を一部変更し、ドハース・ファンアルフェン効果測定に必要な高純度試料育成に力を入れた。平成24年度に行う予定である測定実験について試料準備を順調にすすめている。
既に得られている高純度単結晶試料について、試料内の純度の均一性等を調べるために、低温比熱測定を行う。その上で、磁場変調法によるドハース・ファンアルフェン効果測定を行う。装置は、17テスラ超伝導マグネット及び希釈冷凍機を用いた30mKの極低温で実験を行う。
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