研究課題
本研究の目的は、強磁性超伝導体URhGe及びUCoGeにおけるフェルミ面の特性を調べ、磁性と超伝導発現に深くかかわる5f 電子状態を明らかにすることである。平成23年度までの研究で、UCoGeについてシュブニコフ・ドハース(SdH)信号の観測に成功し、また関連する物質についても高純度単結晶試料の育成がすすんだ。これら高純度単結晶試料を用い、フランス国立科学研究所(CNRS)で行ったパルス磁場中輸送特性の予備的実験結果から、UCoGeの磁化困難軸(b軸)方向において、数十テスラを超える高磁場の磁気的異常を発見した。この結果を受け、平成24年度においては、予備実験を行った温度2Kより、さらに低温での磁気抵抗及び磁化測定実験を行い、それらの量子振動の観測、磁気異常に関する磁場温度相図の確立を目指した。この実験により、SdHに関する新しいフェルミ面の極値に対応するシグナルを観測することはできなかったものの、磁場約50T付近で観測される異常が、常磁性相からの磁場誘起の磁気モーメントの整列に対応する異常であることを確認した。この異常は、温度の上昇とともに低磁場側へシフトし、30 K 以上では徐々に消滅するが、低磁場における帯磁率の極大値を示す温度へ接続していくことが明らかになった。また、URhGeに関しても同様の磁化困難軸に対する磁気抵抗測定実験を行い、磁気温度相図を決定し比較を行った。URhGeの場合は、強磁性相からの磁気モーメントの再配列に対応した異常であり、UCoGeの場合とは異なるが、磁気抵抗そのものの振る舞い、あるいは相図に関する類似性を明らかにした。また、本研究の目的に関連するウラン及び希土類化合物のフェルミ面、磁気異常に関する研究についても成果をあげた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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