DFTプログラムおよびab initio MOプログラムと液体の統計力学理論である3D-RISMの連成計算手法の開発を行い,溶液内生体分子(DNA,アミノ酸),有機分子の光電子励起および電子移動,プロトン移動過程に関する研究を行った。 具体的には,色素分子(クマリン153)の光吸収/発光過程における溶媒効果の研究では島根大学西山桂准教授との共同研究を進め,13種類に及ぶ溶媒のストークスシフトを求め,分子論的な説明を与えた。また,アミノ酸の水-アセトニトリル混合溶媒中での構造安定性,および分子内プロトン移動反応についての応用を行い,各溶媒の親和性の違いによるこれら機構の変化を分子論的に解明した。また,塩基対間の電子移動における溶媒効果に関する研究も行った。
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