研究概要 |
木星衛星ガニメデは太陽系最大の衛星であり,地球のような金属核起源の固有磁場を持つ唯一の衛星である。しかし半径は地球の半分以下なため,集積時に獲得する熱エネルギーのみで金属成分を分離させることは難しい。そこで,ガニメデの初期内部進化に関する数値計算を行い,ガニメデが金属核を持ち得る時期や内部成分比のパラメタ範囲について調べた。結果,ガニメデ内部の温度が金属成分の融点を上回るのは,自身の形成から10~20億年後であることが分かった。これは,集積直後に核形成が完了した地球型惑星とは大きく異なり,固有磁場の発生もごく最近に始まった可能性が示唆される。
|