今後の研究の推進方策 |
2011年3月11日に発生した東北太平洋沖地震(M9.0)は東北地方の広い範囲にわたって極めて大きな地殻変動を引き起こした. 本研究で対象としている2008年岩手・宮城内陸地震震源域における地震後の粘性緩和を見積もるためには, 2011年の地震の影響を的確に評価する必要性がある. そのため2011年地震が2008年地震の粘性緩和に対して与える影響を平成25年度も継続して調査する. また平成24年度に開始した,東北地方太平洋沖地震による奥羽脊梁山脈下のレスポンスを検討することによって粘性率などのパラメータの情報を抽出する試みを平成25年度 に蓄積されるデータを用いて, 継続して実施する. さらに平成24年度に干渉SAR解析の時系列解析手法を当該地域に適用し, 2008年岩手・宮城内陸地震後の長期的余効変動を時空間的に詳細に把握することに成功したが, その解釈を進め, その結果を学術論文としてまとめる. また岩手・宮城内陸地震震源域において水準測量を再度行い, 精密な上下変動場の抽出を目指す. また,このようにして得られた知見を統合した有限要素法によるモデル構築を行い, 奥羽脊梁山脈下のレオロジー構造の再現を目指す.
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